子宮の出口にあたる部分の内子宮口と外子宮口の間を結んでいる管を子宮頸管といいます。妊娠中は子宮頸管が閉じていて胎児の成長を保持しています。
しかし、子宮頸管が妊娠中にゆるくなり開いてしまう子宮頸管無力症になると、流産や早産の原因となります。
子宮頸管無力症は、お腹の張り、不正出血や腹痛などの自覚症状がないまま子宮口が開いてしまいなかなか気が付く事ができずに流産や早産となってしまうケースがあります。妊娠中期以降に現れるのが特徴で、産婦人科病院の定期的な診察で発見される事が殆どです。
子宮頸管無力症の原因はよく分かっていませんが、体質によるためではないかと言われています。
第1子で頸管無力症と診断された方や、頸管無力症による流産・早産の経歴がある方は、次の出産でも子宮頚管無力症を繰り返す可能性があります。妊娠初期~中期に頸管縫縮術を行なっておく方法もあります。
頸管縫縮術には、シロッカー手術(※1)、マクドナルド手術(※2)があり、子宮頚管を縫い縮める方法で、妊娠末期に抜糸を行ないます。頸管縫縮術は、早産予防のメリットがありますが、流産を起すリスクもあり、施設によっては行わないところもあります。
(※1)シロッカー糸で子宮頸管峡部粘膜下の結合組織を縛る。
(※2)頸管の内部を外から糸が見えるように縫う。シロッカーよりも簡単で、陣痛が来てから抜糸して通常分娩に持ち込むこともできる。