胎児を包んでいる卵膜は、羊膜、絨毛膜、脱落膜の3層からできています。
膣内の細菌が子宮の入口より上行性に感染して、卵膜に炎症が起きるのが絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)です。
絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)は、妊娠中期以降におこることが多く、感染が進行すると子宮収縮が頻回になり、破水、子宮頸部熟化(子宮の入口が柔らかくなる)をおこし、子宮口が開き、早産を引き起こす原因となります。また早産の約半数がこの絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)が原因だと言われています。
症状は、自覚症状が現れない人から、発熱、下腹部痛、悪臭のあるおりものなどの症状が出る人など様々です。
診断は、血液検査、頸管内エラスターゼ検査(破水の診断や切迫早産の診断に用いる検査)、腟分泌物検査などで病気の診断がされます。
治療は、原因菌に有効な抗生剤を点滴で全身投与します。また子宮収縮を抑えるリトドリンという点滴を投与します。治療が奏功しなければ、早産をきたしたり、さらに胎児に感染すると、新生児期の肺炎、敗血症、髄膜炎を起したり、脳室周囲白質軟化症や慢性肺疾患を起こすこともあります。より早い段階で炎症や感染を察知し、早期に治療することによって早産や新生児の感染を防ぐ事ができる可能性が高いので、上記の症状があればすぐに受診しましょう。