胎児の頭が母体の骨盤に比べて大きかったり、母体の骨盤の形に問題があったりで、胎児がスムーズに通過できず分娩進行が停止する場合を児頭骨盤不均衡(じとうこつばんふきんこう、CPD:Cephalo-Pelvic Disproportion)といいます。全分娩の約4~6%にみられます。
児頭骨盤不均衡(じとうこつばんふきんこう)の疑いがある時は、骨盤X線撮影をおこない骨盤計測で大きさや形を調べることがあります。
骨盤の大きさと児頭の大きさのバランスが問題のため、児頭が骨盤を通過するのが難しく経腟分娩は不可能と診断されると帝王切開となります。
また、実際にお産が始まってからでないと分からないケースもあります。
産婦人科医師や助産師が注意深く分娩の進行状態みながら経膣分娩を試みます。その上で、児頭が骨盤の中に下がってこない場合は緊急帝王切開に切り替えることもあります。
【児頭骨盤不均衡が疑われる場合】
・胎児の頭が大きい(具体的には大横径が10cm以上の場合)
・母体身長が150cm以下。
・分娩直前にもかかわらず児頭が骨盤内にはいっていない。(浮いた状態)
・母体の骨盤が狭い狭骨盤(きょうこつばん)の場合。
・骨盤骨の変形。
【児頭骨盤不均衡の診断】
・腹部の触診による外診。
・レントゲンによる骨盤計測。
・超音波検査による児頭計測所見。
・分娩直前にも関らず児頭が浮動。