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梅毒(ばいどく)

『梅毒(ばいどく)』とは、梅毒トレポネーマによる感染症で、性交渉などでうつる感染症です。感染すると数週間の潜伏期間を経てから全身症状を引き起こします。

 初期は症状が軽度なため発見が遅れることもありますが、早くに治療を開始できれば治すことができます。初期には感染した部位(主に陰部、口唇部、口腔内、肛門等)にしこりができたり、股の付け根の部分(鼠径部)のリンパ節が腫れることがあります。痛みがないことも多く、治療をしなくても症状は自然に軽快します。しかしながら体内から病原体がいなくなったわけではなく、他の人にうつす可能性もありますので、感染した可能性がある場合にはこの時期に梅毒の検査を行いましょう。

 治療をしないで数カ月以上を経過すると、病原体が血液によって全身に運ばれ、手のひら、足の裏、体全体にうっすらと赤い発疹が出ることがあります。発疹は治療をしなくても数週間以内に消える場合もあり、また再発を繰り返すこともあります。しかし抗菌薬で治療しない限り病原菌である梅毒トレポネーマは体内に残っているため、梅毒が治ったわけではありません。

 早期に治療を行わないと、症状が悪化して大動脈瘤、髄膜炎や神経障害(神経梅毒)などで命にかかわる可能性もあります。人から人への感染と、経胎盤、膣からの上行感染、産道感染、母乳感染などの垂直感染があります。母体の感染が判明した場合は、胎盤が完成する妊娠18週までに治療を行う必要があります。妊娠している妊婦が梅毒に感染すると、胎盤を通して胎児に感染し、『先天梅毒(せんてんばいどく)』となり死産、早産、新生児死亡、奇形が起こることがあります。『先天梅毒(せんてんばいどく)』は,梅毒トレポネーマが胎盤を介して胎児に感染する多臓器感染症です。