子宮内の胎児の向きを「胎位」といいます。
胎位は、頭を下にして羊水に浮かんでいる「頭位」が一般的で、頭が上でお尻が下の姿勢を「骨盤位(こつばんい)」【逆子】、頭が横向きの姿勢を「横位」言います。妊娠中期の胎児は約半数が骨盤位(こつばんい)と言われていますが、自然に妊娠30週あたりから頭は下になり出産までには殆ど胎位は頭位になります。骨盤位(こつばんい)は全分娩の約4~5%程度と言われています。
<骨盤位(こつばんい)の種類>
・単殿位(たんでんい)・・・胎児のお尻が下で、V字型の姿勢をしており骨盤位の8割が単殿位で経膣分娩も可能です。
・複殿位(ふくでんい)・・・胎児があぐらをかいた姿勢で足とお尻が産道を通る事となり頭より大きくなってしまいます。経膣分娩も可能でが、状態によっては緊急帝王切開となる場合もあります。
・足位(そくい)・・・両足で立った姿勢「全足位」、片足で立った姿勢を「不全足位」で、足から出てきますので頭が最後になり胎児に危険がおよびますので、帝王切開での出産が殆どです。
・膝位(しつい)・・・両膝をついた姿勢「全膝位」、片膝ついた「不全膝位」、足位と同様に帝王切開での出産が殆どです。
<横位(おうい)>
胎児が横向き姿勢の分娩となり、肩や手が先に出できますので、これ以上に大きい頭は産道を通る事ができずに帝王切開での出産となります。殆どは出産までに頭位もしくは骨盤位に自然に回転します。最終的には、全分娩の約0.3~0.4%と比較的まれな状態です。
<胎位矯正>
①胸膝位(きょうしつい)・側臥位(そくがい)
四つんばいになり、胸を床につけてお尻を高くあげる。その後胎児の背中が上にくるように横向き寝る。
②外回転術
超音波で胎児の向きを確認して、妊婦さんのお腹の外側から、胎児の頭部と臀部(お尻の部分)をしっかりと捉えて回転させる。