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身原病院

羊水塞栓症(ようすいそくせんしょう)

羊水塞栓症は羊水中の胎児抗原が母体血中への流入することにより起こる「肺毛細血管の閉塞を原因とする肺高血圧症と、それによる呼吸循環障害」を病態とする疾患です。症状としては、呼吸困難,低血圧(ショック、意識低下),および凝固障害(大量出血、DIC)が起こります。羊水塞栓症には2つの型があり、1つ目は心肺停止型で2つ目は子宮型ですが、心肺停止型は症状が出現後間もまく心肺停止となり、救命が困難で妊産婦死亡原因の第一位です。子宮型は分娩後の大量出血(DIC)として発症しますが、適切な輸血などにより救命できる場合も多くなっています。
羊水塞栓症はまれな産科的緊急事態で,妊娠100,000件当たり2~6件の割合で発生すると推定されています。通常,妊娠後期、分娩時、分娩後12時間以内に起こります。ほとんどの例で破水が伴います。

この記事を監修した人
身原正哉(MASAYA MIHARA)

産婦人科専門医で医療法人倖生会身原病院 院長。
専門医:公益社団法人 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医、日本抗加齢医学会 日本抗加齢医学会専門医、母体保護法指定医師、日本産婦人科医会「硬膜外麻酔下での分娩を安全に行うために」講習会修了、麻薬管理者、麻薬施用者、京都市立病院登録医