妊娠・出産によって、大きくなった子宮が元に戻らなくなってしまうこと。通常、産褥期(出産後の回復期)には、子宮は元に戻るために収縮し始め、約6週間で妊娠前の大きさになる。しかし、子宮復古不全の場合は、さまざまな原因によって子宮の収縮状態が悪くなり、子宮の大きさや硬さなどが元の状態に戻らない。これにより、出血や悪露が長引くなど、母体の回復が遅れてしまうほか、お腹の痛みがあったり、新たな感染症の原因になったりと、負担が大きくなるケースもある。そのため、子宮の大きさや形を元に戻すための治療が不可欠となる。
分娩後、正常よりも「子宮が大きく、やわらかい」「子宮底が高い」などといった特徴を持つ。また、分娩時に切れてしまった子宮内の血管は、子宮の収縮とともに塞がれていく。そのため、子宮の収縮状態が悪くなってしまうと、出産後の出血が止まりにくくなることに。この結果、自覚症状としては、長引く血性の悪露(産後に出るおりものが血液のような状態となったもの)や、ときに大量出血などが挙げられる。さらに、長引く悪露を放置すると産褥感染症を引き起こし、産褥熱という発熱や全身の症状悪化につながる可能性もあるため、注意が必要。
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