月経の開始に伴い下腹部・腰痛などの疼痛とともに頭痛、悪心、嘔吐などの症状を伴い、月経終了後に症状が消失または軽減するものを月経困難症といいます。月経痛(生理痛)はほぼ同じ意味として使用されています。
月経困難症は、その原因により以下の2つの病態に分類されます。
1機能性月経困難症
骨盤内に、特別な器質的な原因がなくほとんどの月経困難症がこれにあたります。月経時に子宮内膜で産生されるプロスタグランジンが、子宮筋を収縮させ腹痛がおきます。また全身に作用して頭痛、嘔気、嘔吐、下痢などの原因になります。
2器質性月経困難症
病気が原因となって引き起こされるもので、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮や卵巣の炎症、子宮後屈症、子宮奇形などが原因となります。
月経の時、月経痛の他に頭痛、吐気、嘔吐、下痢などの症状が強いときには、我慢しないで受診してください。
診察は、まず問診をおこない症状の程度とその出現時期を確認します。その後必要であれば超音波検査をおこない、子宮・卵巣に子宮筋腫、子宮内膜症などの病気がないかを調べます。また血液検査を行い、ホルモンの状態、貧血がないかなどを調べます。
※思春期の患者さんは、できるだけお母様と受診していただき、超音波はお腹のうえから行います。