出産方法
出産方法
出産の流れ
自然分娩(経膣分娩)の流れです。大まかな流れを知っておくと安心です。
出産第1期[開口期]
陣痛開始より子宮口が完全に開くまでの時期
平均所要時間
初産婦:10~12時間/経産婦:5~6時間
子宮口の開大 | 陣痛の感じ方 |
---|---|
準備期(0~3㎝) | 腹部全体に収縮を感じます。生理痛のような痛みです。 |
進行期(4~7㎝) | 下腹部に集中して収縮を感じます。 |
極期(8~10㎝) | 収縮のピーク時には下腹部痛や腰痛を強く感じることがあります。 |
産婦の過ごし方
- 破水してなければシャワーや入浴してもよいでしょう
- リラックスに努めましょう
- 間歇時にはできるだけ身体を休めましょう
- 消化の良いものを適度に食べましょう
- 自分が一番楽な姿勢を取りましょう
- 好きな音楽を聴いても良いでしょう
- いきみを逃す呼吸法をしましょう
ご家族ができること
- 陣痛の間隔を測ってみる
- 入院に必要な荷物をそろえる
- 産婦のそばにいる、またはそっとひとりにする
- 食事や水分の準備
- 腰や背中をさする
- 身体を支える
出産第2期[娩出期]
子宮口が完全に開いてから赤ちゃんが生まれるまでの時期
平均所要時間
初産婦:1~2時間/経産婦:30分~1時間
子宮口の開大 | 陣痛の感じ方 |
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全開大(10㎝) | 陣痛の感じ方 |
産婦の過ごし方
- いきんだあとは深呼吸して赤ちゃんに酸素をあげましょう
- 合図があれば、力を抜いて短息呼吸をしましょう
ご家族ができること(出産に立ち会う方)
- いきみやすい姿勢を助ける
- いきみのタイミングやリラックスの声かけ
- 水やお茶を飲ませる
- 手を握る、抱きしめる
- 汗を拭く
出産第3期[後産期]
胎盤が出るまでの時期
平均所要時間
初経産婦とも10~20分
産婦の過ごし方
- 赤ちゃんに付ける名札を確認します
- 赤ちゃんの状態が良ければ、抱っこしたり、おっぱいを吸わせたり、ご家族で写真を撮ったりすることができます
- 出産後1~2時間は出血しやすいので注意しましょう
立ち会い出産について
出産の際に立ち会うパパが増えています。苦しんでいるママを精神的に励ますことができるという意味もありますし、産まれる瞬間を共有することで、父親の自覚がうまれる、あるいは生命を引き継いでいくこの神秘を感じることができるとも言われています。なにより大切なのは、いつ産まれるか先の見えない長い陣痛を一人で過ごすより、信頼できるパートナーがそばにいることで妊婦さんの不安や恐れは軽くなります。ただ、血が苦手なパパ、気乗りしないパパに無理強いをするのは禁物です。
当院産婦人科では、立ち会い出産は原則ご家族のみとさせていただいております。
(小さいお子さまの場合はご相談ください)
一度当院産婦人科のスタッフや医師にご相談ください。
出産方法
当院産婦人科では、妊婦さんや赤ちゃんの状態をみて、適切な出産方法を選択できるようにしています。
「いい出産だった」と思っていただけるよう、あらかじめバースプランを立ててもらっています。
自然分娩
もっともポピュラーな出産方法です。ここでいう自然というのは、陣痛がくるのを待って産道を通って赤ちゃんが生まれてくる(経膣分娩)ことで陣痛促進剤等の薬剤や吸引・鉗子分娩等の医療行為を施さないという意味での自然です。
勿論、母体・胎児の安全のため、点滴をしたり現代のお産での最低限の常識的な医療処置を行います。
分娩監視装置は、赤ちゃんの元気さ・陣痛の間隔を観察するため、基本的に出産中は装着します。会陰切開などの基本的な医療行為は必要に応じて医師の判断で行わせてもらう場合があります(必要がなければ、当院では行いません)
詳しくは産婦人科の出産の流れページをご覧ください。
LDR(陣痛、出産、産後の回復までを同じ部屋で過ごせる)で、リラックスして出産できます。
無痛分娩
当院産婦人科では、出産方法の一つとして無痛分娩も選択していただけます。当院の無痛分娩は硬膜外麻酔法といって、日本で最も多く用いられている麻酔の方法です。硬膜外麻酔とは、背中から細いカテーテルを背骨の中の硬膜外腔といったとても狭い所へ挿入して、そこから麻酔薬を注入する方法です。「背中にカテーテルを挿入するなんて」と、痛いイメージがありますが、それを入れる為の皮膚麻酔もしますので少しチクッとして終わりです。
支えて歩ける程度の麻酔なのですが、当院ではカテーテルチューブのトラブルなどを防ぐためにも、基本的にはLDRで出産中を過ごしてもらっています。無痛分娩の方の当日の過ごし方については、産婦人科の無痛分娩のページをご覧ください。
では自然分娩に比較しての無痛分娩のメリットやデメリットについて説明します。
メリット
痛みによるストレスがないため、赤ちゃんも苦しくなりにくい。陣痛による体力の消耗が防げる。終始リラックスして出産できるので、赤ちゃんが生まれてくる感覚もしっかりあるため感動もできる。(局所麻酔なので意識はハッキリしています)
デメリット
陣痛促進剤を使用する。麻酔による合併症(低血圧、出産後の頭痛、感染、神経障害など)のリスクがある。吸引分娩になる確率が高まる。
費用がかかる(かかった時間や薬の使用量によるが平均10〜15万円程度)
帝王切開になる確率は変わらないと言われています。
フランスでは、この硬膜外麻酔による無痛分娩率は90%以上、アメリカでも60%以上の人が無痛分娩で出産しているそうです。
詳しい説明がお聞きになりたい場合は産婦人科の医師にご相談ください。
帝王切開
お腹(子宮)を切って赤ちゃんを出す方法で、母子の安全を最優先に考えた「安全なお産」の一つです。帝王切開は、自然分娩が難しいと判断されたときに選択される出産方法です。その原因は、赤ちゃんにあることもありますしお母さんに生じることもあります。
帝王切開には、予定の帝王切開と緊急帝王切開があります。 当院では、可能な限り痛くない手術を心がけるため、脊椎くも膜下麻酔(通常はどの病院・医院産婦人科もこの麻酔で帝王切開を行います。全身麻酔は赤ちゃんに影響があるので、通常は選択しませんが、赤ちゃんが取り出された後は、ご希望があれば全身麻酔をして眠ることは可能です。)に加え、希望者には硬膜外麻酔を併用して術後の痛みを軽減しています(個人差により、効果に差があります。麻酔が難しい方には行えない場合もあります)。 当院産婦人科妊婦さんの、ほぼ95%以上の方が希望されています。
また、麻酔が効いていないのに手術をすることはありませんので、ご安心ください。
その他、当院では帝王切開後の創部ケアにも力を入れています。ケロイド体質で傷がきれいに治らない方には、特殊な帝王切開用のシリコンジェルシートなどを貼付することにより、傷を目立たなくすることができます。
吸引分娩・鉗子分娩
バースプラン
「バースプラン(Birth Plan)」とは、「出産計画」のことです。
出産という一生に数回しかない出来事をできる限り自分らしく、納得のいくものにするために、バースプランを立てます。できるだけご希望に添えるよう産婦人科の医師・助産師とともにお手伝いさせていただきます。あなたがどんなお産をしたいか、今一度イメージしてみてください。
下のプランはあくまで一例です。当院で可能と思われるもの、よく尋ねられることなどを中心に作成しています。医療上の理由などでご希望に添えない場合もありますが、これ以外のことでもできるかどうかはぜひ産婦人科のスタッフまでご相談ください!
バースプラン用紙をダウンロードし、ご記入の上、妊娠34週頃の助産師外来の際にお渡しください。