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出産前の準備、やること!!
妊活中の方、妊娠がわかった方、その旦那さんなど『妊娠中はどのような生活をすれば良いのかいまいちわからない!』という方も多いのではないでしょうか?
今日は妊娠中に注意すべきこと、やるべきことなどをまとめてみましたので、ご参照下さい。
1.妊娠前
1)葉酸をたくさんとろう
『妊娠には葉酸(ようさん)が必要と聞くけれど、どのくらいとればいいの?』と妊婦さんからよく質問を受けます。葉酸(ようさん)とは、水溶性ビタミンの一種で赤血球や赤ちゃんの正常な発育に必要なビタミンであると言われています。葉酸(ようさん)をとることで神経管閉鎖障害(しんけいかんへいさしょうがい)という病気を50〜70%減少すると言われております。
葉酸(ようさん)は水溶性ビタミンであることから熱に弱いという性質があります。またビタミンは1種類だけ沢山摂取しても、その他のビタミンが不足していると上手く吸収できません。そのため料理だけで下記に記載した必要量を摂取するのは難しく、サプリメントなどを併用して摂取することが推奨されています。
<厚生労働省の推奨している1日あたりの葉酸推奨摂取量>
通常 | 240μg |
---|---|
妊活中 | 640μg |
妊娠中 | 480μg |
授乳中 | 340μg |
葉酸(ようさん)の多い食事は、枝豆や海苔、わかめ、納豆などです。熱を通すと葉酸(ようさん)は壊れてしまうため、おすすめは納豆に海苔をかけるというシンプルなレシピです。これで葉酸量は約100μg(納豆1パック+海苔1.5g)摂取できますが、必要量には全然足りません。そのためサプリメントを併用することで、必要量を摂取するようにしましょう。またサプリメントを選ぶときは添加物の少ないものを選ぶようにしましょう。身原病院ではバイエル薬品のエレビット(Elevit)という葉酸(ようさん)サプリメントを取り扱っておりますので、希望の方はお気軽にご相談下さい。
2)医療保険に入っておく
妊娠は病気ではないため基本的には医療保険は使えないのですが、切迫早産や重症妊娠悪阻(じゅうしょうにんしんおそ・じゅうしょうにんしんつわり)、帝王切開など異常妊娠や異常分娩になった場合には医療保険の適応になります。
もし妊娠や出産に備えて医療保険に入ろうとお考えの場合は、子供が欲しいと思ったとき、できれば妊活前に入ることをお勧めします。妊娠がわかってから加入した場合には、特定部位不担保といって妊娠が関係する疾患は給付が除外されてしまうことなどがあるからです。妊娠すると、場合によっては働けなくなる可能性もあることをきちんと夫婦で話し合い、必要に応じて検討下さい。
◆ワンポイントアドバイス◆
夫婦で今後のお金の話をしておくことはとても重要です!
妊娠中や産後直後も問題なく働けると思っている旦那さんもいます。出産前に貯金をしておくことなど具体的な話し合いをして、妊娠中のお金の心配を少しでも減らすことがストレスフリーなマタニティライフの第一歩です。
3)歯の治療はしておく
妊娠中はホルモンの影響で唾液が減少し口腔内環境が変化するために、虫歯になりやすくなります。妊娠初期はつわりなどで口腔内環境が悪化しやすいだけでなく、流産のリスクが高い時期でもあるため歯の治療は積極的には行えません。また妊娠後期になるとお腹が大きくなり上向きの治療がしづらく、治療が難しいということもあります。
妊娠中期で全身状態が落ち着いている場合は簡単な治療は受けられますが、抜歯など抗生剤や鎮痛剤が抜歯後に必要になった場合にお薬が飲めなかったりします。
可能であれば妊娠前に必要な治療はすませておくようにしましょう。
◆ワンポイントアドバイス◆
切迫早産や頸管無力症(けいかんむりょくしょう)など早産の原因になるのは、身体の炎症反応であることがわかっています。歯の炎症も影響を与える可能性があるため、妊娠中の歯磨きなど虫歯予防には注意するようにしましょう
4)風疹(ふうしん)や麻疹(はしか)の予防接種を受けておく
特に風疹(ふうしん)は重要で、妊娠中に風疹(ふうしん)にかかると先天性風疹症候群(せんてんせいふうしんしょうこうぐん)という重篤な影響を赤ちゃんに与えてしまう可能性があります。赤ちゃんの耳や目、心臓などに障害を残してしまう病気です。
麻疹(はしか)は妊娠中にかかると切迫早産や流産などの原因になる可能性があります。
その他にも流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)や水痘(みずぼうそう)予防接種も抗体がない方は受けておくことをおすすめしております。
◆ワンポイントアドバイス◆
予防接種はお母さんだけでなく旦那さんも受けるようにしましょう。
旦那さんが万が一感染症にかかってしまうと、お母さんや出産後お子さんにうつす可能性があるためです。
2.妊娠がわかったら
妊娠判明後は、すぐにやるべき事と時期を見てやるべきことに分かれます。
分かりやすいように妊娠初期、中期、後期に分けて御説明しようと思います。
1)妊娠初期(妊娠0~15週)
①旦那さんに報告する
おそらく妊娠最初の検査は市販薬の尿検査だと思います。
生理が遅れて妊娠の可能性があれば、生理予定の1週間後から使用できますのでチェックしましょう。
もし陽性だった場合、まずは1番に報告すべきは旦那さんですね。
お2人の子供ですので、是非喜びを分かち合いましょう。
②産婦人科に行く
市販薬の妊娠検査薬はあくまでも自己検査になります。子宮外妊娠の可能性などもありますので、妊娠が判明したら産婦人科にて検査を受けましょう。産婦人科でも尿検査をした後に内診でお腹の中をエコーで診ます。脱ぎやすいお洋服で行くようにしましょう。
③妊娠届けを出す
産婦人科で予定日が決まったら、近くの市区役所に妊娠の届出をします。この時に母子手帳と妊婦健診助成券について説明を受けます。予定日が決まらないと母子手帳はもらえないので、予定日が決まるまでは待つようにしましょう。
④出産する産婦人科を選び始める
産婦人科によっては妊娠初期に予約しないと分娩予約が出来ないところも、、、!一般的には12~15週目で分娩予約するところが多いようですが、地域によっては7~8週目で予約しないと予約できない産婦人科もあるようです。『絶対この産婦人科で産みたい!』と思う産婦人科があれば、早めに連絡、相談するようにしましょう。まだ決まっていない方は、ゆっくり自分に合う産婦人科を探しはじめましょう。
因みに産婦人科によって分娩費用が異なるので、概ねどの位かかるかは聞いてみるのが良いです。産婦人科によって検査項目や体制、サービスが異なるので、是非自分に合った産婦人科を探してください。また分娩予約を行うときに、予約金を徴収している産婦人科が殆どです。産婦人科ごとにこの予約金が異なりますので、こちらも事前に確認しておきましょう。
2)妊娠中期16~27週)
①両親に報告
意外とご両親への報告はゆっくりという方も多い様です。安定期に入ってから報告し、産後のお手伝いの相談など、できるだけ力になってもらいたいご両親。ご両親のお仕事の都合もあるため、後期までには報告する方が良さそうですね!
②職場に報告
妊婦さんの会社だけでなく旦那さんの会社にも報告しましょう。そのときには、妊婦さん自身だけでなく旦那さんの育休に関しても問い合わせるといいですね。夫婦両方が育休を取得すると、パパ・ママ育休プラスといって原則1歳までの育休期間が1歳2ヶ月まで延長されます。このことも考慮して、夫婦で育児計画について相談するようにしましょう。
③体力づくり
出産・育児には、体力がとても必要になります。特に出産は妊娠中の運動不足が原因で、分娩停止や産後の大量出血などが起こることがあります。過激な運動は必要ないのですが、お家でできるストレッチや散歩など特に下半身の体力づくりを行うようにすることで、安産にも近づくことができます。
④マタニティセミナーに参加する
産婦人科や自治体、ミキハウスやあかちゃん本舗などのベビー用品系の企業や、近年では助産師によるオンライン両親学級などいろいろな種類がありますが、一番参加しやすいマタニティセミナーに参加しましょう。
マタニティセミナーでは、抱っこの方法や事前準備が必要な物品の説明、お産の流れ、お母さんや赤ちゃんの身体のお話しなどとても勉強になることばかり。是非旦那さんと一緒に参加して、心身共にお産に向けて知識をつけていきましょう。
⑤保育園の検討
産後は職場復帰の予定ですか?それとも育児に専念しますか?産後は目まぐるしく時間が過ぎていき、なかなかゆっくり調べ物をすることができません。そのため、妊娠中からお住まいの自治体に保育園の状況を確認するなど、早めに確認しておくことをお勧めします。
0歳から入所希望で7〜9月に出産予定の方は特に注意が必要です。10月頃から保育園の入所申し込みが始まるところが多いため、早めに見学をして納得のいく保育園を選ぶようにしましょう。
⑥お部屋の動線の見直し
産後1ヶ月は基本的にはベッド上で生活をします。家事は家族にお願いをしてお母さんは赤ちゃんのお世話と授乳に集中するような生活です。そのことを考えて、ミルクを作る時の動線やキッチングッズの配置整理、母乳を冷蔵保存するスペースの確保、離乳食が始まったら冷凍が増えるので冷蔵庫のサイズを見直したりなど、赤ちゃんが1歳になる頃までのイメージを膨らませて家の中の準備も進めましょう。
⑦サポート体制の準備
男性の育休取得率を上げて行くべきであると世間では騒がれていますが、実際に育休を取得している男性は少ないのが現状です。そんな時には旦那さんを責めるのではなく、行政の支援を利用したり宅配サービスを利用したりなど、他にも選択肢がありますので各自治体でどのような産後サービス、産後ケアを行っているか確認しましょう。産後はホルモンの影響で精神的にも身体的にも無理は絶対禁物です。そのことを旦那さんとも先に共有して、特に産後1ヶ月はどのようにして家事をお母さん以外で補うのかを話し合うようにしましょう。
◆ワンポイントアドバイス◆
怖いお話になりますが、子供の死亡の主な原因は不慮の事故であると言われています。赤ちゃんがハイハイし始めたら、手当たり次第自分で手にとって食べたり、登ったり、つかんだりします。しかし事故は予防できるものです。赤ちゃんの事故になりそうなものは無くすように、子供の事故に関して母子手帳などを参考に学ぶようにしましょう。知っていると防げることは、かなりいっぱいあります。
3)妊娠後期28週~
①赤ちゃんグッズを揃え始める
赤ちゃんの性別が分かり、可愛い赤ちゃんグッズを揃え始める頃だと思います。赤ちゃんの日常生活物品ももちろんですが、車がある場合はチャイルドシートなど退院後すぐに必要になるものも購入して準備しておくようにしましょう。
◆ワンポイントアドバイス◆
出来るだけ中性的な赤ちゃんグッズを購入する事!
医師の診察では100%性別が判明する訳では無いんです。妊婦健診では女の子だったけど、生まれるとあらびっくり!男の子だった!って事もあります。 出来るだけどちらの性別でも使えるような赤ちゃんグッズを購入するようにしましょう。
2人目のお子さんが出来たときにもその方がおさがりとして使えて良いですよ!
②呼吸法など出産に向けての体作りを始める
分娩の体制やお産の流れについて助産師さんに教えてもらい、イメージトレーニングをするようにしましょう。そのときには呼吸法も一緒に練習することで、出産本番が来た時にもリラックスしてお産を迎えることができます。リラックスすることが安産なお産を迎えるためには必須です。是非夫婦で呼吸法の練習をしましょう。
③入院準備をする
夜間や家族のいない時間帯に陣痛がきたら、どういうルートで産婦人科に向かうのか、陣痛タクシーの利用登録などいろいろなシチュエーションを想定して準備をすすめる必要があります。
入院するときに持っていく荷物は、玄関の近くに置いておくなど自分が取りに帰ってこなくても家族が見てすぐわかるような場所に置いておく・共有しておくことなども大切なポイントです。入院準備物品は産婦人科によって違ってくるため、しっかりと確認しましょう。
④おっぱいマッサージをはじめる
36週頃からおっぱいマッサージを始めましょう。乳首の先の汚れを取るようなイメージでクリームもしくはオイルをつけて乳首を引っ張ったり押したりなどできるだけ乳輪から乳首の先まで柔らかくなるようにマッサージしましょう。
そうすることで産後の授乳が出やすかったり、赤ちゃんの吸い付きもだいぶ変わってきます。
※切迫早産(せっぱくそうざん)ぎみな方や帝王切開予定の方などは、医師に確認の上実施するようにしましょう
⑤お産の始まり方を学ぶ
お産の始まりは、陣痛間隔が10分以内になり、それが6回以上続いた時もしくは破水(はすい)をしたときです。お産が近づくとおしるしと言ってドロっとした出血が出たり、赤ちゃんが骨盤に入り込むため胎動が少なく感じたりすることがあります。
初産婦さんの場合は基本的に10分間隔の陣痛のタイミングで産婦人科に連絡し、場合によっては5分間隔になるまで自宅で様子をみてもらうこともあります。できるだけ早く入院した方が安心するという方もいらっしゃいますが、破水(はすい)していなければ基本的には住み慣れた自宅で陣痛時期を過ごした方がスムーズにお産に移行しやすいです。
◆安産になるためのワンポイントアドバイス◆
おすすめは、入浴です!体を温めることとリラックスすることがとてもお産には有効です。入院するとバスタブに入ることはできないため、自宅で陣痛が始まった場合は湯船につかって過ごすことをおすすめします。(破水してる時は入浴厳禁です。すぐに入院しましょう。)
3.まとめ
出産前には女性だけではなく男性や周りの方の協力も必要不可欠です。
出来る限り妊婦さんに配慮した行動をこころがけましょう。