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産後のために、産前・産後にすること、しておいた方がよいこと
10ヶ月以上に上る長い妊娠生活と辛い陣痛も乗り越えて、
無事赤ちゃんを出産できたこと、 とても素晴らしいことです。
出産を終えたのもつかの間、
次はすぐに育児が始まります!
今回は、産後に向けてやるべきことをお話したいと思います。
1.産後、入院中にすること、しておいた方がよいこと
1)とにかく休めるときに寝ておく
お産のために骨盤は開いた状態であり
そのままにすると尿漏れや子宮収縮不全、腰痛などあらゆるトラブルの元になります。
産後は出来るだけ早く骨盤ベルトを巻き、
骨盤を固定することでこれらのトラブルを予防出来ます。
実はこの時期は骨盤矯正がしやすい時期でもあります。
緩みがある分動きやすいのです。
<子宮収縮>
産後は後陣痛と言って、出産で大きくなった子宮を元の状態に戻そうと陣痛のような痛みが起きます。この痛みは必要な痛みで、異常な痛みでは無いので安心してください。出産後は赤ちゃんが生まれて体外にいますので、産後薬として痛み止めが使えます。我慢できない痛みの場合は我慢せずに、医師に相談してお薬を使うようにしましょう。
<悪露>
悪露(おろ)とは、分娩後の産褥時に子宮から排出される分泌物のことです。
産後は生理のような出血『悪露(おろ)』が約1ヶ月間続きます。色は「赤色」→「くすんだ古い出血の色」→「ピンク色のような薄い血の色」→「黄色」→「おりもの様の白色」の順で妊娠前の状態に戻っていきます。
◆ワンポイントアドバイス◆
この悪露(おろ)は生理の出血とは違うものです。通常の生理よりもナプキンの交換を頻回にするようにしましょう。 悪露(おろ)が付着することで菌の温床となり、会陰(えいん)の傷が感染してしまうのを防ぐためです。ウォシュレットなどで悪露(おろ)をこまめに洗い流すことも有効です。
産後すぐに母乳を出すようにホルモンが変化し、おっぱいが出るようになってきます。
初乳と言って初めに出るドロっとした母乳はお母さんの免疫が含まれており、赤ちゃんにとって大切な栄養素になります。
是非積極的に飲ませるようにしましょう。
◆ワンポイントアドバイス◆
産後3~4日は、乳首の刺激が初乳を出すホルモン刺激になります。この時期は約3時間おき(赤ちゃんが欲しがる度)におっぱいを吸わせる、もしくは自分でマッサージをするなどの刺激が必要です。
産後5日頃からおっぱいが張ってきて、多めに母乳を作るようになります。おっぱいの張りを確認したら赤ちゃんに直接必要な量を飲んでもらい、飲んだ分だけ作るようなサイクルになります。
直接母乳が吸えない場合は搾乳(さくにゅう)などで定期的に量を搾ることが大切です。
2)育児のノウハウを1から学ぼう
抱っこの仕方・オムツ替え・母乳のあげ方・沐浴・帰宅後の母乳やミルク管理・赤ちゃんの病気について等々、学ばなければならないことがいっぱいあります。
但し焦らずに、ひとつひとつ自分のペースで覚えていき、気になる事があれば医師や助産師に相談しましょう。
退院後不安なく自分らしい育児ができるように、お母さんとしてのスタートをきりましょう。
3)書類の手続き
<産後の必要書類リスト>
種類 | 届出先 | 対象者・注意事項 |
出生証明書 | 市役所 |
対象者は全員。 出生後14日以内に提出する。 その時には赤ちゃんの名前と漢字まで決めて申請する必要がある。 |
出産一時金 | 勤務先か産院か市役所 |
対象者全員。 産院でそのまま出産1時金を利用できる場合が多く 一時金を差し引いた金額のみ産院に収めることができる。 |
乳幼児医療費 | 市役所 | 対象者全員 |
児童手当 | 市役所 | 対象者全員 |
未熟児養育医療給付金 | 市役所 | 対象者2,000g以下の赤ちゃんを出生された方 |
健康保険証 |
社会保険は会社へ 国保の方は市役所へ |
対象者全員 |
高額医療費 | 保険協会 | 対象者医療費が高額になった方。 |
出産手当金 | 勤務先 | 対象者健康保険証を有する会社員 |
育児休業給付金 | 勤務先 | 対象者健康保険証を有する会社員 |
医療費控除 | 税務署 |
対象者医療費が年間10万円以上の方。 家族全員分の病院の明細や領収書はとっておくようにしましょう。 |
手続き関係は、旦那様やパートナーの方にも手伝ってもらおう!
特に急いで提出しなければならないのが出生証明書。赤ちゃんの名前が決まらないと登録できないため、名前を決めて出産後2週間以内にお近くの市役所に提出します。
これは旦那様が提出することもできます。産後1カ月間程度は、お母さんは基本的に外出しないようにして、旦那様に協力してもらいましょう。
4)骨盤ベルトで骨盤の固定をしよう
お産のために骨盤は開いた状態であり、そのままにすると尿漏れや子宮収縮不全、腰痛などあらゆるトラブルの元になります。
産後は出来るだけ早く骨盤ベルトを巻き、骨盤を固定することでこれらのトラブルを予防出来ます。
実はこの時期は骨盤矯正がしやすい時期でもあります。緩みがある分動きやすいのです。
◆ワンポイントアドバイス◆
着圧骨盤矯正スパッツがちまたで流行っていますが、着圧が強すぎると血流を圧迫してしまい気分不快の原因になったりします。腹部を圧迫し過ぎるのは危険です。
骨盤ベルトなど、圧迫し過ぎないものを妊娠中から準備しておくようにしましょう!
2.退院後から1カ月までにすること、しておいた方がよいこと
①退院後から1ヶ月検診までは入院中と同じ生活をしよう
退院後も外出や家事は控え、基本はベッド上で過ごします。授乳以外の時間は寝て休むようにすることが大切です。
旦那様やパートナーの方やご両親など頼れる人にはとことん頼って過ごしましょう。「自分で頑張る!」という気持ちが、この時期は自分を追い込むことになってしまうこともあります。
育児は一人でするものではありません。いろいろな人の手を借りながら、育児をすることが母子共に健やかに成長できるコツですよ
②内祝いの手配
お見舞いなどで頂いたお祝いは、わすれずにチェックしておき内祝いを送るようにしましょう。 お祝いでいただいた額の3分の1から2分の1の品が目安です。内祝いのマナーとして、2ヶ月以内に贈ること、のし紙は蝶結びなどがあるのでこの点に注意しましょう。
あとは地域によって違いがありますので、ご両親に確認するのもよいと思います。
③職場に出産の報告
出産報告は、今後良好な職場復帰をするためにも礼儀を踏まえて報告しましょう。そのためには、まずは直属の上司へ、本人もしくは御家族から電話かメールで報告しましょう。
今はSNSなどが普及し職場に報告する前に出産を周知されてしまう場合がありますが、マナーとしては上司へ報告、同僚へ報告、SNSなどの投稿と、順序の配慮をするのが良いかもしれません。
昨今はメールなどの場合は一斉送信などもできますので、うまく活用するのが良いと思います。
3.1カ月から3か月の間にすること、しておいた方がよいこと
①1ヶ月健診にいこう
1ヶ月健診は基本的には出産をした病院で行います。
お母さんと赤ちゃんの両方の健診があり、お母さんは子宮収縮状態や母乳のトラブルがないか、マタニティブルーが悪化して産後うつ状態ではないかなどを確認します。
赤ちゃんは体重や栄養状態、全身状態を確認し、必要であればミルクや母乳の調整指導も行います。
産後1ヶ月健診に行ってお母さんと赤ちゃん共に問題がなければ外出ができるようになります。しかしいきなりの遠出は避け、近くのスーパーの買い物など最低限の外出から始めるようにしましょう。
②軽い運動をする
産後はストレッチや散歩など軽い運動から再開し、産後3ヶ月を目安に本格的な運動をしても大丈夫です。
しかし無理は禁物です。出産や育児に追われて体力が低下している状態ですので、できる範囲で始めましょう。
③お宮参り
お宮参りとは、その土地の産土神(うぶすながみ)に赤ちゃんの出生を報告し、成長を見守ってもらうようお願いをする通過儀礼です。
男の子は生後31日目、女の子は32日目に参拝するのが基本でしたが、現代では御家族の都合のつきやすい日程で行われることが多いようです。
◆ワンポイントアドバイス◆
必ず1ヶ月で参拝しなければならないものではないため、赤ちゃんやお母さんの体調や天候等を考慮して柔軟に計画するようにしましょう。
④産後のセックスに関して
産後の性生活はいつから再開しても良いですか?と良く質問を受けます。
基本的に正常分娩の方は、1ヶ月検診で問題が無ければ再開可能です。帝王切開や異常分娩の方などは2ヶ月検診が必要な方もいます。
そのような方は2ヶ月検診で問題ないことを確認してから再開しましょう。また産後1ヶ月では会陰(えいん)の傷がまだ治りきれておらず、性交痛を感じる方もいます。
完全に治りきれていない状態でセックスをすると、感染症の原因にもなりますので、注意しましょう。
御本人の傷の痛みの感覚を優先して、完全に治ったな!と思ったタイミングで再開する形が1番良い選択だと思いますので、夫婦でしっかりと話し合った上で行いましょう。
◆ワンポイントアドバイス◆
次のお子さんの予定はありますか?実は生理が戻っていなくても排卵している可能性があります。
家族計画を立てて、納得のできるタイミングまでは感染予防にもなるため、コンドームの使用をおすすめします。
また帝王切開だった方は、傷が完全に治りきれていない状態で妊娠すると子宮破裂になるリスクがあります。1年間は避妊し、妊娠を避けるようにしましょう。
⑤生後2ヶ月より予防接種がスタート
ワクチンデビューは生後2ヶ月の誕生日からです。ワクチンを打つことで防げる病気をVPD(Vaccine Preventable Diseases)といいます。
VPDから赤ちゃんを守るためにも、2ヶ月になったらすぐに予防接種を始めましょう。日本では同時接種と言って数種類のワクチンを同時に打ちます。
小児科のかかりつけ医を事前に探しておくとスムーズです。毎月通うことになるので、通いやすい距離で選ぶと良いですね。
ワクチンのスケジュールはかかりつけ医に相談し、スケジュール通りに接種出来るように早め早めに調整するようにしましょう。
特にスケジュール通りに摂取しないと摂取できなくなってしまったりするので、事前に確認するようにしましょう。
ワクチンスケジュールは、日本小児科学会で推奨スケジュールが出されておりますので、そちらをご確認下さい。
日本小児科学会:https://www.jpeds.or.jp/
※小児科学会HP→一般の皆様へ→予防接種・感染症→日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールでご確認頂けます。(2020年6月4日現在)
4.3か月から6か月の間にすること、しておいた方がよいこと
①3~4ヶ月健診へ行こう
3~4ヶ月健診はお子さんの栄養状態や発育の確認、またお母さんの育児相談などを目的に行われるものです。
出産した病院ではなく、お住いの自治体もしくは指定の病院で行われます。自治体から健診のご案内が届くので、その指定された日時と場所に向かうようにしましょう。
指定された日に受診をすれば、健診費用は無料である事が多いようです。事前に届く受診チケットや問診票を忘れずに持参するようにしましょう。
◆ワンポイントアドバイス◆
乳幼児健診は同じ月齢のお子さんを持つママ友を作るチャンスです。同じ悩みを持つ方も多いので、仲良くなると心強い相談相手となる事もあります。
待ち時間などで、是非お話をしてみてください。お子さんやパパママにとって良いお友達が出来ると良いですね。
②お食い初め
お食い初めとは、生後100日目に赤ちゃんに初めて食べ物を与える儀式で、尾頭つきの鯛、煮物、赤飯、香の物、汁物など5つのお祝い膳を用意し、親族の長老の方が赤ちゃんに食べさせる真似をして祝います。
この儀式の後から、離乳食を始める方が多いようです。
5.6か月間から12カ月の間にすること、しておいた方がよいこと
①9~10ヶ月健診
9~10ヶ月健診は、お子さんの発育発達や栄養状態の確認、見過ごされがちな病気の早期発見などを目的に行われる乳幼児健診です。
また、育児の悩みの相談が出来る場でもあります。この時期の赤ちゃんは知能が発達しており、大人の真似をしたりハイハイやつかまり立ちなど身体機能も著しく成長する頃でもあります。
また離乳食が進んでいる時期なので歯磨きの指導なども行われます。
健診費用は自治体によって無料の場合と自己負担の場合がありますので、ご自身の自治体に確認するようにしてください。
②初節句
初節句とはお子さんの成長をお祝いし、将来の幸せをお祈りするお祝いごとです。
女の子は3月3日の桃の節句には、ひな人形を飾りお祝いします。男の子は5月5日の端午の節句に鯉のぼりを飾り、兜を被ってお祝いします。
最近ではこのタイミングで親戚を集めてお披露目会をすることもあるようです。
6.まとめ
如何でしたでしょうか?出産してから1歳までは、イベント事ややるべき事が目白押しで忙しいですよね。
あっという間に成長する赤ちゃん。国の制度も利用しながら、成長を楽しみながら見守れるようにしていくといいですね。
無理のない、あなたらしい育児ができるよう、心から祈っています。によって無料の場合と自己負担の場合がありますので、ご自身の自治体に確認するようにしてください。