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子宮頸がん

子宮頸がん

子宮下部の管状の部分を子宮頸部、子宮上部の袋状の部分を子宮体部と呼び、それぞれの部位に生じるがんを子宮頸がん、子宮体がんといいます。 子宮頸がんは子宮がんのうち約7割程度を占めます。以前は発症のピークが40~50歳代でしたが、最近は20~30歳代の若い女性にも増えてきており、30歳代後半がピークとなっています。

原因

最近になって、子宮頸がんが発生している人のほとんどが、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスに感染していることがわかってきました。このウイルスは子宮頸部に感染して定着します。ある調査で性交経験のある女性の約10%において子宮頸部に、子宮頸がんの高危険群のヒトパピローマウイルスが検出されました。たとえHPVに感染しても、2年以内に90%の人は自分の免疫力でウイルスを排除できますが、10%の人は感染が長期間持続してがんの前の段階である異型細胞が増殖します。この感染が持続し、自然に治癒しないグループが子宮頸がんに進行するといわれています。

症状

早期にはほとんど自覚症状がありませんが、進行するに従って異常なおりものや月経以外の出血(不正出血)、性行為の際の出血、下腹部の痛みなどが現れてきます。

検査・診断

子宮頸がん検査、HPV検査など

治療

子宮頸がんの治療方法は、手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤)の3つを単独、もしくは組み合わせて行います。 異形成や上皮内がんと診断され、今後、妊娠・出産の希望がある場合には子宮を残す治療として、子宮頸部のレーザー治療や円錐型に子宮頸部を部分的に切除する手術を行います。 子宮を残す希望のない上皮内がんまでの場合や、がんの入り込みが非常に浅い場合(微小浸潤)には、子宮のみの摘出が計画されます。がんの子宮頸部の組織中への入り込みが強い場合や既に塊を形成している場合、がんが子宮の周囲に拡がりはじめている場合には、子宮に加えて腟の一部、周辺組織、靭帯(じんたい)、リンパ節を広範囲にわたって摘出する必要があります。卵巣も摘出することがあります。

予防

子宮頸がんワクチン
近年ではこのHPVの感染を予防することにより子宮頸がんの発症を防ぐワクチンの接種が、各国で広がってきています。詳しくは子宮頸がんワクチンを参照してください。

早期発見、早期治療を
子宮頸がんはごく初期のがんであるならば、子宮を残すことが可能なレーザー治療や円錐切除などを行うことができ、その治療成績も極めて良好です。子宮頸部の組織へ入り込んでいる場合でも、軽度で早期の状態であれば比較的治療成績の良いがんです。子宮頸がん検診で早期発見することが可能であり、早期治療が一番大切な病気といえます。